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受け継がれる「登り窯」

深川製磁では、ガスや電気を使わない創業当初の磁器づくりを次世代へと受け継ぐため、昔ながらの「登り窯」をつかった焼成に毎年挑戦しています。

創業当初のやきものづくりを継ぐ
「登り窯」

16世紀末に日本に伝わった「登り窯」。薪を炊き、その灰を自然の釉薬として溶け込ませながら磁器を焼く窯です。

有田は、日本で初めて磁器が焼かれた地。深川製磁の登り窯「谷窯」は、そばに渓流がある山間部にあります。深川製磁では、現在もこの谷窯で磁器づくりを行っています。

薪を使った原始的な登り窯で1350℃まで温度を上げるのは、ガスを使った現代的な窯と比較しても至難の技。さらに磁器を焼くためには、窯のなかの酸素濃度が上がり過ぎないよう保たなければならないため、窯内の環境の調整は容易ではありません。

焼成にかかる時間は、その日の気温や湿度によっても異なり、およそ30〜50時間ほど。その間、職人たちが交代で火の番をします。焼き上げたあとは約20日間をかけて自然冷却し、ようやく作品がお目見えとなります。

登り窯ならではの美しさを
お待ちいただくお客さまのために

通常の品質管理基準を適用すれば、販売できるのは1割にも満たないほどで、残念ながらすべてが商品としては不採用となってしまうことも。しかしながら登り窯でしか表現しえない、混じりけやブレのある、人間らしい美しさを持った味わい深い作品たちを、ありがたいことに、毎年楽しみにお待ちいただいているお客さまが数多くいらっしゃいます。

毎年11月頃に行われる焼成の際には見学ツアーも開催しており、多くの方にお楽しみいただいております。焼きあがった作品は、翌年1月頃から、チャイナオンザパークならびに本店など、直営店の店頭に順次並びます。

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